【海外旅行記】ドイツ・バーデン=バーデン(Baden-Baden) 〜ケルン在住日本人ブログ

ドイツ旅行記

ドイツ・ケルン(Köln)在住の日本人夫婦が、2024年3月末のイースター休暇にドイツのバーデン=バーデン(Baden-Baden)を観光した旅の記録です。

はじめに

バーデン=バーデンはドイツの南西部に位置し、「ヨーロッパの大温泉保養都市群」の一つとして街全体が世界文化遺産に登録されています。18〜19世紀にかけてヨーロッパ中の王侯貴族や文化人が訪れたようですが、現在でも高級リゾート地として多くのセレブが訪れる街として知られています。

そもそも地名の「バーデン(Baden)」という言葉自体が、ドイツ語で「入浴する」「水浴びする」という意味であり、まさに温泉で癒されるための街と言っても過言ではありません。

今回は温泉施設での保養に加え、「世界で最も美しいカジノ」と称されるCasino Baden-Badenでの賭博体験をメインの目的として、この地を旅行先として選定しました。

また、今回の2泊3日の旅のうち最終日には乗り換え地のマンハイム(Mannheim)も観光したので、そこでの観光スポットについては次の記事をぜひご覧ください。

交通手段

今回は高速列車ICEを使って移動しました。ケルンからの直通便もありますが、昼食休憩を考慮し、選択したのはマンハイムで乗り換える便です。ICEチケットは3ヶ月以上前に予約したため、繁忙期にも関わらず合計で1人あたり片道€27.8と比較的安く購入できました(直前に予約すると€100程度します)。

幸いにも今回は列車の遅れはほとんどなく、行きも帰りもおおよそ予定通りの時刻に到着しました。ただ、イースター休暇のため車内はかなり混んでいて、席を予約しておいて正解でした。マンハイムとバーデン=バーデンの間の便については残念ながら距離が短く席の予約ができなかったので、空席を探して夫と離れた場所に座らざるを得ませんでした。移動時間は合計で片道2時間半程度でした。

また、別の記事【海外旅行記】ドイツ・ミュンヘンでお伝えしたとおり、現在ドイツでは月額€49でドイツ全土の普通列車・バスが乗り放題のため、市内の移動はすべて無料でした(後述のケーブルカーの料金は除きます)。

ヨーロッパのイースター休暇は通常4日間程度ですが、有給休暇をつなげて取得する人も多く、気候的にも大変混み合うハイシーズンです。今回も旅行先を€49チケットを利用できるドイツ国内にしたことで、交通費はだいぶ浮きました。食事代とホテル代はそれなりにしましたが(朝食付き1泊2人で€180程度)、ドイツ国内の他地域と同程度です。

観光スポット巡り

それではこれから今回実際に訪れた観光地や穴場を時系列順に紹介していきます!

リヒテンターラー・アレー

初日に訪れたのは、リヒテンターラー・アレー(Lichtentaler Allee)と呼ばれる、川沿いの散歩道。

散歩道のまわりには壮大な庭園や公園が広がっており、たくさんの緑に癒されました。散歩道や植物はきちんと手入れが行き届いていて、雨上がり後にもかかわらず大変歩きやすかったです。犬と散歩をする家族や、ベンチでくつろいでいる人々が散見されました。

緑の中心を綺麗な小川が流れていてとても涼しげでした。川にはいくつもの可愛らしい橋が掛かっていたので、川の向こう側には簡単に渡れました。

川辺にはヨーロッパにおなじみの鴨(ドイツ語でEnte)がたくさん見られました。人間にあまり慣れていないのか、警戒心が強く、近づくことはできませんでした。自宅近くの池の鴨は人から餌をもらい慣れていて、とても人懐っこいのですが、、。

また、周囲の庭園や公園にはいくつもの噴水が見られました。小さいものから5メートル程の高さまで噴き上がっているものまで様々あり、これらにも大変癒されました。噴水の周りの池もゴミ一つなく整備されているのが印象的でした。

この散歩道の周辺以外にも、街中の至る所で色々な噴水が噴き上がっており、さすが国際的に認められた温泉の街だけあるなと思わされました。

カラカラ浴場

次に訪れたのが、今回の旅行のメインの目的地の1つでもある温泉施設「カラカラ浴場(Caracalla Therme)」です。古代ローマのカラカラ帝も湯治に訪れたと言われるほど、歴史と由緒のある施設になります。

温泉施設といっても、18〜38℃の様々な温度のプールがあるようなイメージで、男女混浴で水着の着用が必須になります。プールは屋内および屋外にあり、一般的なレジャープールによくあるウォータースライダーのようなものはありませんが、噴水や滝、打たせ湯、ジャグジー、流れるプールのような仕掛けがたくさんあり、長時間楽しめます。

他にも屋内にいくつか別室がついており、日焼けサロン、マッサージ(別料金必要)、低温ミストサウナ、高温アロマサウナなども利用できました。

また、プールの周りにはデッキチェアやソファベッドのようなものがたくさんあり、水着のままくつろぐことができます。さすがに屋外はまだ季節的に無理でしたが、もう少し暖かくなれば、日光浴もできてとても気持ちがよさそうでした。屋内のデッキチェアなどは大人気で、先に来ていたお客さんたちにバスタオルで場所取りをされていて(本来は場所取りは禁止なのですが、、)、残念ながら空きはほとんどありませんでした。

イースター休暇中ということもあり、どのプールも夫婦や親子、友人たちと楽しむたくさんのお客さんで溢れかえっていました。アジア系の観光客もそれなりに見かけました。

1階のバスエリアのみの料金が、2時間で€19、3時間で€23、一日券については€31でした。バスタオルのレンタルも€6で可能です(別途デポジット€15が必要です)。さらに2階のサウナエリアを利用したい場合は、追加で€5かかります。ドイツのサウナは基本的に男女混浴かつ水着着用不可なので、私たちは利用しませんでした。


カラカラ浴場の隣には、もう一つの有名な温泉施設である「フリードリヒス浴場(Friedrichsbad)」があります。こちらの施設は男女混浴かつ水着着用不可のため、今回は訪れませんでした(曜日によっては別浴の時間帯もあるようです)。バーデン=バーデンの街中で意外にも多くの日本人観光客を見かけたことも、今回私たちが遠慮するに至った理由です(笑)。

マークアー山

2日目にまず目指したのは、マークアー山(MerkurBerg、水星山)です。山頂にはマークアー展望台(Merkurturm)がありますが、その手前のマークアー登山鉄道(MerkurBergbahn)と呼ばれるケーブルカーも醍醐味の一つです。

マークアー山は、中心街から東へ5km程の所に位置します。

できれば歩いて行きたかったのですが、日程的に昼食前に後述のホーエンバーデン城まで攻略したかったため、中心街からケーブルカー乗り場まではバスを利用しました。バスは30分〜1時間に1便しかないので、事前に時間を調べておいた方がよさそうです。ちなみに、中心街からケーブルカー乗り場まで歩く場合には、少なくとも30分程度はかかるようです。

ケーブルカー乗り場に着くと、子ども連れの家族で長い行列ができていました。一台に20名程乗れますが、線路が一本しかない箇所が長いので往復に時間がかかり、30分近く待ちました。

左手には出店が一軒出ていて、ドイツの定番のパン・プレッツェル(Brezel)やジュースが売られていました(イースター休暇中限定の出店の可能性があります)。

ケーブルカーのチケットは駅構内の券売機で購入でき、1人あたり往復€7でした。駅構内にも簡易な店があり、高地にもかかわらず500mlのミネラルウォーターを€1.5とかなり安く手に入れることができました。無料のトイレもありました。

ケーブルカーの中は思っていたよりも広く、また、半分くらいの人は座席に座れました。山頂までの傾斜はかなり急だったので、おそらく歩いて登ることもできたとは思いますが、残りのスケジュールも考慮してここで体力を温存しておいて良かったです。

10分程で山頂に着くと、ひらけた丘が広がっていました。下に広がる家々は小さく、雲はかなり低い位置に見えました。

丘にはなぜかビニールロープが囲うように張られていて、何やら子どもたちがその周りをスタンバイしています。中の芝生にはカラフルなエッグが散りばめられています。まさか、と思っていると、カウントダウンとともにイースターエッグ探し(Ostereiersuche)が始まりました。

まったく狙ったわけではなかったのですが、ちょうどイースターのイベントに立ち会えたようでした。子ども連れの家族が異様に多かった理由も判明しました。

エッグ探しが終わった後は、皆さっそくゆで卵を剥いて食べていて、なんとも微笑ましかったです。このイベントは1日に何回か予定されているようでした。

マークアー展望台については、このイベントのためか、今回は利用不可となっていました。幸いなことにトイレについては無料で利用することができました。

丘の裏手の方に回ってみると、パラグライダーの滑走のための斜面が広がっていました(残念ながら飛び立つところは見られませんでしたが、、)。

帰りも行きと同様に、ケーブルカーとバスを利用して下山しました。

ホーエンバーデン城

次に目指したのは、山上の古城・ホーエンバーデン城(Altes Schloss zu Hohenbaden)です。

ホーエンバーデン城は中心街から北へ2〜3km程の所に位置します。今回はマークアー山からの帰りのバスを適当なところで降りて、その方面へ歩き始めました。

登山というほど傾斜はきつくはないですが、ハイキングというほどなだらかでもなく、トレッキングという表現が一番しっくりきます。本格的なアウトドアの格好をしている人が多数派で、中にはスティックを使って登っている人もいました。

下の写真の通り、乗馬している人もいたくらいです(笑)。

幸いにも天気に恵まれましたが、前日か早朝に雨が降ったのか、足元についてはぬかるんでいるところが何箇所もありました。時には水たまりを飛び越えつつ進みました。

ルートはいくつかあるようですが、中心街からは片道1時間〜1時間半程度かかるようです。

ホーエンバーデン城は1102年にバーデン辺境伯によって建てられたものの、現在は廃墟となっており、城壁の一部のみが残っている状態です。

展望台や城壁の上にまで階段で登れるようになっており、高所から麓の家々やライン川などを360度一望することができました。観光客用に開放されているのである程度は信頼できたものの、私は元々高所が得意ではないので、細くて狭くて頼りない階段がとにかく怖く、古城にいる間はずっと足がすくんでいました。

古城の最も高い展望台からは、ちょうど同じくらいの目線に、古城のある山の山頂が見えました(古城は山頂ではなく少し低い中腹にあります)。そこにも展望スペースがあるのか、本格的な格好で登頂したたくさんの人々がそこから景色を見下ろしている様子が見えました。

古城への入城料は無料でした。常駐の管理人はいないようでしたが、入口近くの綺麗なトイレも無料で利用することができました。

帰りも歩いて下山し、中心街まで戻ったところでやっと昼食のためのレストランに入れました。

カジノ・バーデン=バーデン

一度ホテルに戻って着替え、夕方に向かったのは、この地での最後の目的地「カジノ・バーデン=バーデン(Casino Baden-Baden)」です。

カジノ施設は、クアハウス(Kurhaus)と呼ばれるコンサートホールやレストランを備える白い建物内に併設されています。クアハウスは国際会議なども開かれるほど由緒のある有名な施設です。

特にカジノ施設については、ロシアの文豪ドストエフスキーを含む多くの著名人が訪れたと言われており、また「世界で最も美しいカジノ」と評されるほど豪華絢爛なことで有名です。

カジノ施設は正面入口から入って右手にありました。クロークはその手前の、正面階段の右側奥にありました。

カジノルームに入るには、受付で入場料€5を払ってカードを作ってもらう必要があります。またその際に身分確認をされるので、パスポートなどの身分証明書が必須です。

また、合わせてドレスコードのチェックもされます。夫はジャケットとネクタイを用意していたので大丈夫でしたが、一つ前の男女グループは有料でジャケットやドレスなどを借りているようでした。私は綺麗めなブラウスとスカートにトレッキング用のハイネックスニーカーというちぐはぐな格好でしたが、特に何も言われませんでした。ただ、脱いだコートを抱えていたので、外のクロークに預けるよう指示されました。クロークの利用料は1人あたり€2でした。

準備が整い、いよいよカジノへ入場。入り口前の係の人に先ほど受付で作ってもらったカードを確認されました。

入場してすぐの部屋の右手窓口で、€50札をカジノ用のチップに換金しました。€50札は、「5」とだけ書かれた€5チップ6枚と、「2」と書かれた€2チップ10枚になりました。最低の賭け金は€2のようです。

先に進むと、右手にルーレット専用の部屋があり、4台の各ルーレットテーブルでゲームが行われていました。好きな台に好きなタイミングで参加できるようで、私たちも何台かのテーブルを回って楽しみました。勝ったり負けたりを繰り返し、最終的には換金した€50分が全部無くなりましたが、1時間半程度粘ることができました。

€2チップや€5チップを賭けている人が多かったですが、中には€100チップを一度に10枚近くかけている人もいました。チップが足りなくなった際には、ルーレットテーブル上で現金をチップに交換することもできるようでした。

別室には、ブラックジャックやポーカー、スロット、電子版ルーレットなどのゲームが用意されていて、他のお客さんがゲームしているのを近くで見ることもできました。カジノ内にはバーもあり、お酒を飲みながらゲームを楽しんでいるお客さんもいました。

カジノ施設はとても煌びやかで大人の世界という感じでしたが、思っていたよりも敷居は高くありませんでした。ドレスコードさえ守れば誰でも気軽に賭け事を楽しむことができるため、興味があれば気負わずに挑戦していただきたいです。


*** 最終日のマンハイムでの観光スポットについては次の記事にて紹介しています ***

おわりに

これまで特段取り上げませんでしたが、バーデン=バーデンはセレブがたくさん訪れる街ということもあり、街中も高級ショップやおしゃれなカフェが多く、歩いているだけでもとても楽しめました(今回はイースター休暇中のため、ショーウィンドウはイースターウサギやイースターエッグづくしでしたが、、)。

バーデン=バーデンは緑と水が溢れる本当に美しい街で、「もしこのままドイツにいるなら、老後はここで暮らしたい!」と思わず考えてしまいました。

フランクフルトからも近く、日本からの団体ツアー客も立ち寄るほど人気がある観光地なので、旅行の際には是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

今回のこの記録が、少しでも皆さんの旅の参考になれば幸いです。

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