【海外旅行記】イギリス・ロンドン(London) 2024 『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』舞台観覧 〜ケルン在住日本人ブログ

イギリス旅行記

ドイツ・ケルン(Köln)在住の日本人夫婦が、2024年5月下旬にイギリス・ロンドン(London)で舞台『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』を観覧した際の記録です。

はじめに

今回は舞台『千と千尋の神隠し』(英語版:『Spirited Away』=「神隠し」)のロンドン公演5月19日(土)15:00〜の回を観に、ドイツ・ケルンからイギリス・ロンドンまで飛んできました。

ジブリ作品の中で歴代興行収入第1位(日本総合歴代興行収入は劇場版『鬼滅の刃』についで第2位)を誇る大人気のアニメーション映画『千と千尋の神隠し』。

2022年3月に東京・帝国劇場で舞台公演が開幕するとたちまち人気を博し、2023年8月頃には日本全国ツアーと同時にロンドンでの海外公演が発表されました。当初は2024年4月〜7月の予定でしたが、チケットの売れ行きが絶好調なのを受けて5週間の公演延長が決定し、ヒロインの千尋役も橋本環奈・上白石萌音のダブルキャストに新たに川栄李奈・福地桃子が加わって4人となりました。

ロンドン公演の概要は下記の通りです。

●演目:『Spirited Away』
●主演:橋本環奈・上白石萌音・川栄李奈・福地桃子
●期間:4月30日(火)〜8月24日(土)
●時間:3時間強(30分間の途中休憩を含む)
●言語:日本語(英語字幕付き)
●劇場:ロンドン・コロシアム(London Coliseum, St Martin’s Ln, London WC2N 4ES)

●ロンドン公演公式HP:https://www.spiritedawayuk.com(英語表記)
●日本公演公式HP:https://www.tohostage.com/spirited_away/

*** 今回のロンドン旅行で訪れた他の観光スポットに関しては次の記事で紹介しています ***

チケット予約

観覧チケットの予約はWebサイトLondon Coliseum|Spirited Away(英語表記)から行いました。

当初は6月以降に行くことを想定しており、3月頃から席の予約状況やキャストをチェックし始めました。まだキャストが発表されていないにも関わらず、特に週末にかけては一番高い席も含めてかなりの席が埋まりつつあったのには驚きました。

飛行機やICE(日本でいう新幹線)のチケットもなるべく安く抑えたかったため、4月前半には予約を確定したいと思っていたところ、ギリギリの4月12日(金)にキャストが発表されました(キャストスケジュールについては次項をご確認ください)。

4人のヒロインとも実績ある演技派の有名な俳優さんだったので正直とても悩みましたが、今回は実際に生で見れるということで、「千年に一度の美少女」との呼び声高い橋本環奈ちゃん(25)の回を観に行くことにしました。環奈ちゃんが出演するのは5月だけということがわかったので、3連休の真ん中の5月19日(日)15:00〜の回を予約しました。

ロンドン・コロシアムの観覧席は、London Coliseum Seating Planによれば1階席〜4階席(Stalls/Dress Circle/Upper Circle/Balcony)で構成されています。

チケット予約サイトLondon Coliseum|Spirited Awayで私たちが空席をチェックしたときにはすでにBalcony(4階席)とStand(3階の立ち見席)の選択肢はなく、1階席〜3階席の空席から選ぶ形になりました。

当然ながら舞台に近い1階席や、程よい高さの2階席の値段が高く、最高料金は£225.75(約45,000円)でした。

下図はある日のある時点での予約状況と席料金ですが、同じ1階席や2階席でも少し見にくい席になると料金がぐっと下がることがわかります(グレーの席は予約済みの席で予約不可です)。

私たちは生で環奈ちゃんを見たいという目的もあったので、1階席で空いていた後方の中央あたりの席を予約しました。前方過ぎるとステージ全体がよく見渡せず、また、ずっとステージを見上げ続ける体勢になってしまうことを懸念し、今回はあえて少し後方の席にしました。

最終的に支払った料金は、£225.75×2人分に予約手数料£6.5がかかり、合計£458でした。その後メールでバーコード付きのE-Ticketが届きました。

ネット情報によると最低料金は£28(約5,500円)とのことでしたが、お手頃価格の席はすでに埋まってしまっているようです。一方、公演期間後半の平日であれば通常時よりも価格が下がっているようですので、費用を抑えたい方はチェックしてみてください。

公演キャスト(2024年5月19日)

2024年の公演キャスト全メンバーは2024年公演キャストにて公開されています。

ロンドン公演の日程別のキャストについては、ロンドン・コロシアム公演キャストスケジュールから確認できます。

私たちが観覧した5月19日(日)15:00〜の回のキャストは下記の通りです。

  • 千尋: 橋本環奈
  • ハク: 醍醐虎汰朗
  • カオナシ: 山野 光
  • リン/千尋の母: 妃海 風
  • 釜爺: 田口トモロヲ
  • 湯婆婆/銭婆: 朴 璐美
  • 兄役/千尋の父: 大澄賢也
  • 父役: 吉村 直
  • 青蛙: 藤岡義樹
  • 頭: 五十嵐ゆうや
  • 坊: 武者真由
  • アンサンブル: 湯屋組(新井海人、桜雪陽子、大重わたる、折井理子、今野晶乃、澤村 亮、末冨真由、髙橋莉瑚、竹廣隼人、知念紗耶、手代木花野、中上綾女、西宮ゆうき、花島 令、藤岡 義樹、Miffy、萬谷法英、水野栄治、森田茉希、保野優奈、YAMATO)

交通手段

今回の日程がドイツでは5月唯一の3連休であったためか、フライトチケットが想定以上に高く、今回は劇場から一番近いロンドン・シティ空港(LCY)ではなくロンドン・ヒースロー空港(LHR)を利用することにしました。Lufthansa(ドイツ航空)でフランクフルト空港(FRA)から飛びました。

ロンドン市内は、他の観光地への移動も含めて電車(地下鉄)とバスを利用しました。どちらもクレジットカードのタッチ決済でSuicaのように改札を抜けたり乗車したりできるので大変便利でした。ちなみにバスは乗車時のみのタッチでOKです。

また、1日に引き落とされる上限金額が決まっており、たくさん乗った日にはとてもお得に感じました。Bus and tram fares – Transport for Londonによると、現在の乗車料金は1回£1.75、1日の上限が£5.25、1週間の上限が£24.7のようです。

環奈ちゃんも一緒に写真を撮っていた『Spirited Away』の広告が載っているバスも、街中で何度か見かけました。

ロンドン・コロシアムの最寄駅はチャリング・クロス(Charing Cross)駅になりますが、地下鉄でもバスでも複数の行き方があり、アクセスはとても良いです。

劇場

私たちは昼食後にショップ巡りなどをしてから歩いて劇場へ向かいましたが、セント・マーティンズ・レーン(St Martin’s Ln)と呼ばれる通りを南下していると、遠くに劇場が見えてきました。

奥にある、天辺に地球儀型のオブジェが付いている高い建物が、今回の劇場ロンドン・コロシアム(London Coliseum, St Martin’s Ln, London WC2N 4ES)になります。

通りには『Spirited Away』のポスターがいくつも貼られていて、通りのオシャレさがさらに増していました。

劇場の徒歩圏内には、ハリーポッター・ショップや丸亀製麺などの飲食店、トラファルガー広場(Trafalgar Square)など有名な観光スポットが多数あり、開演前の時間も有意義に過ごすことができます。

劇場の目の前までくると、建物はとても大きく、かなりの迫力がありました。天辺の地球儀型オブジェには「COLISEUM」の文字が書かれており、くるくると回っていました。

入口には2、3名の係員が立っており、入館する際にはチケットチェックに加えて簡易な荷物チェックも受けました(おそらく危険物持ち込みのチェックであり、飲食物の持ち込みは特に問題ありませんでした)。

館内設備:ギフトショップ・カフェ・トイレ

舞台が始まるまでの時間は、館内のギフトショップやカフェで過ごしました。

入ってすぐ右手の大きなギフトショップはチケットを持っている方は誰でも利用可能ですが、フロア別のギフトショップ、カフェ、トイレに関しては予約した席のフロアのみ利用が可能となっています。下記の情報は今回私たちが予約した1階席のフロアの情報になります点はご了承ください。

ギフトショップにはTシャツや手拭いなど様々なグッズが売られていました。ネットの情報によるとロンドン公演を観覧した人のみが購入できる限定グッズのようですが、日本円に置き換えるとだいぶ割り高感がありました。ガイドブック(英語版)は、各キャストの情報や大きな顔写真なども載っていて、これは買う価値ありと思いました。

カフェではコーヒーや紅茶、ワインやシャンパンなどが販売されていました。紙コップのホットコーヒーは£2.5(約500円)とヨーロッパにしてはお手頃価格でした。ホットドリンクは場内に持ち込めないようで、カフェ内のテーブル席で飲み切りました。ワインやシャンパンなどのコールドドリンクであれば持込可能でしたが、座席にテーブルなどは付いていないのでグラスの置き場所に困るのではないかと思います。カフェのメニューは予約時に届いたメールに記載されていたFood and drink|London Coliseumから確認が可能で、お寿司などの食べ物も販売されていました。

トイレは一階下(地下)の右手にありました(公演中の休憩時間には例のごとく女性用トイレに長い行列ができていましたが、30分の休憩時間内に容易に席に戻ることができました)。

観覧席

コーヒーを飲み終え開演5分前に入場したときには、すでにほぼ満席状態でした。

観覧席の概要はチケット予約の章で先述しましたが、私たちが予約した1階後方の中央あたりの席からのステージの見え方は下の写真の通りです。

ステージとの距離は思っていたよりもあり、視力1.0の私では俳優さんの表情までしっかりと見るのは少し難しかったです(持参した双眼鏡を使えば表情までしっかりと見ることができました)。俳優さんを生でしっかりと見たいという方は、やはり前方がおすすめです。

その一方で、舞台が奥行きも含めて広く、セットも壮大だったため、全体をよく見渡すには格好の位置だったと思います。目線の高さもちょうど良かったです。

また、とても幸運なことに、ちょうど私たちの席の1列前の2席だけキャンセルのためか空席になっており、前の人の頭でステージが一部隠れてしまうという残念な事態も避けられました。

英語表示用の字幕は各座席にはなく、正面の上方と両サイドの3箇所(全て緑の装飾がある部分)に十分見える大きな文字で表示されていました。字幕を見たい方は、字幕と舞台を同時に見れるようにあえて2階以上の席かサイドの席を選んだ方が良さそうです。

観覧席は事前の調査通り1階席〜4階席までありました。すでに売り切れていたためか事前にはわかりませんでしたが、両サイドにはグループ席(Box Seat)もあり、子ども連れの家族などが利用していました。

舞台公演『千と千尋の神隠し』 ※ネタバレあり・動画あり

とても一言では言い表せないですが、公演は最初から最後まで本当に本当に素晴らしく、すっかり引き込まれてしまいました。細かいセリフや設定も含め原作に99%近く忠実で、むしろプラスアルファで舞台ならではの面白い設定が付け加えられているくらいでした。

原作のアニメーション映画の中にはとても実世界で表現することは難しいだろうと思われる箇所がいくつもありますが、それらの点ついても驚くべき工夫が施されており、むしろ舞台だからこその表現力に圧倒されました。

ステージ上のセットもとても壮大でした。場所や場面が大きく変わる際も、舞台装置の仕掛けが巧みに利用され、見事な切り替え術には舞台という文化の歴史や進歩を感じずにはいられませんでした。奈落も大変効果的に使われていました。

最後は海外ならではかもしれませんが、大喝采に加えスタンディング・オベーションが起きていました。

当然ながら公演中の撮影は禁じられていましたが、最後のキャスト挨拶のみ撮影ができたので共有します。

出演キャストの方々が順々に登場してくるのですが、こちらはハク(醍醐虎汰朗)に続き、湯婆婆/銭婆(朴 璐美)、千尋(橋本環奈)が登場する最後のシーンの動画になります。
※再生時は音量にご注意ください!!

環奈ちゃんが登場するときに、千尋がハクの名前を思い出し、2人がおでこをくっつけ合う感動シーンの曲のサビが再び流れて、とても雰囲気に合っていました。

一方で、きっと最後は明るい曲で締めたかったのでしょうが、ここまで原作に忠実にも関わらず、一度も原作エンディング曲の「いつも何度でも🎵」が流れることがなかったのは少しだけ残念に思いました(ちなみに「いのちの名前🎵」は劇中に何度か流れていました)。

以下に、キャスト挨拶の写真をいくつか載せています。多少拡大して撮影しているものもありますが、舞台との距離感に加え、奥行きも含めた舞台の広さやセットの壮大さも感じていただけるのではないかと思います。

環奈ちゃんは思っていた通りの身長で、動画や写真からわかるようにハク役よりも頭1つ分小さく、千尋役として違和感はありませんでした。持参した双眼鏡で表情などもよく見ましたが、思っていた以上に若々しく、お顔も子どもっぽく、千尋役がぴたっとハマっていました。

特に千尋役は最初から最後までほとんど登場しっぱなしで、この舞台を最大で週8回演じる俳優さんたちは相当大変だろうと思いました。本当にお疲れ様でした!!

おわりに

今回の舞台観覧は、2人分の公演チケット代(約90,000円)に加えて、ロンドンへの渡航費やホテル代など相応の費用がかかりましたが、それ以上に舞台の再現度や完成度に対する満足感がとても高かったです。

むしろ日本まで行かずに、環奈ちゃんをはじめとした日本人キャストの方々が日本語で演じる舞台を生で観ることができ、本当に有難いと思いました(もちろん日本に住んでいたらもっとお手頃な値段で見れるのでそれに越したことはありませんが、、)。

まだ8月下旬までロンドン公演は続くので、気になる方は是非チェックしてみてください。

今回のこの記録が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

*** 今回のロンドン旅行で訪れた他の観光スポットについては次の記事をぜひご覧ください ***

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